「カグラバチ」ネタバレ全話まとめ!
今回は「カグラバチ」のあらすじをネタバレ有りで全話まとめてみました。
『カグラバチ(神楽鉢)』は、外薗健が手掛ける作品で、2023年42号より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載中の剣戟バトルアクション漫画です。
2025年1月時点で、単行本1〜5巻の累計発行部数は驚異の130万部を突破しています。
その勢いは留まるところを知らず、2024年8月には「次にくるマンガ大賞 2024」コミックス部門で堂々の1位を獲得した『カグラバチ』は、次代のジャンプを担う話題作として、その名を不動のものとしています。
それでは、「カグラバチ」最新話までの全話ネタバレあらすじをを紹介していきます!
カグラバチのネタバレあらすじ全話まとめ!
妖刀の解説
「妖刀」についての説明
本作における「妖刀」とは、主人公千鉱の父である刀匠・六平国重が独自の技術を駆使して作り上げた、特別な力を持つ刀です。
この刀は、自然界で発生する特殊な鉱石「雫天石(だてんせき)」を素材として使用しています。
雫天石は玄力を増幅させる特性を持ち、使いこなすことでその力を発揮しますが、その代償として過剰な玄力が使用者の体内に流れ込むことで命を奪う危険を伴います。
国重はこの力を安定化させる方法を発見し、命を守りながら妖刀を作り上げることに成功しました。
国重が生み出した妖刀は、6本の「妖刀六工」として知られ、これらの刀は戦争の終結を導いた功績を讃えられています。
妖刀には「命滅契約」と呼ばれるシステムが施されており、契約者が命を落とすまで、他の者が妖刀を使ってもその力は発揮されません。
この契約により、妖刀の力を引き出すことができるのは、その所有者だけに限定されています。
妖刀は、玄力を増幅させることで通常では実現できないほどの強大な力を持ち、瞬間移動や雷や氷を使った攻撃など、妖術と共に多彩な異能力バトルを繰り広げるため、作中で重要な役割を果たします。
第1話~第2話「序章」
18年前の戦争と妖刀「六工」
18年前、日本では「斉廷戦争」と呼ばれる大規模な戦争が展開されていた。
この戦争で大きな役割を果たしたのが、主人公千鉱の父である刀匠・六平国重(ろくひら くにしげ)の製作した6本の妖刀「六工(ろっこう)」。
妖刀はその強力な力で戦争の勝利に貢献し、国重の名は一躍有名になる。
しかし、戦争が終結すると国重はこれらの妖刀の扱いに慎重となり、妖刀「六工」を結界で守られる隠れ家に隠す。
平穏な日々が終わりを告げる
同時期に生まれた国重の息子、六平千鉱(ろくひら ちひろ)は、幼少の頃から父と共に刀匠を目指していた。
千鉱は父とともに穏やかな生活を送りながら、将来は自らも立派な刀匠となることを夢見ている。
しかし、その平和な日々は突然幕を閉じるのだった。
それは3年前のこと。千鉱が15歳の時、隠れ家の結界が突如として破られる。
侵入してきたのは妖術師集団「毘灼(ひしゃく)」の手の者たちであり、彼らは国重を無慈悲にも殺害し、妖刀「六工」を奪い去った。
この悲劇により、千鉱は愛する父を失い、彼の人生は一変する。
復讐の決意
国重の死を目の当たりにした千鉱は、人々の妖刀を巡る欲望と、奪われた父の刀に込められた思いを強く実感する。
父の仇を討ち、奪われた六工を取り戻すことを決意した千鉱は、国重が遺した最後の刀、七本目の妖刀「淵天」を手に、復讐の旅に出ることを心に誓う。
父の旧友との旅立ち
それからというもの、千鉱は父の旧友である柴登吾(しば とうご)とともに各地を巡る。
柴登吾は彼の頼れる師匠として、また斉廷戦争時代からの縁である国重の理解者でもあった。
二人は「毘灼」の情報を求めて旅を続け、反社会的組織を一つずつ潰していくことで、妖刀の手掛かりを探し続ける。
千鉱は、国重が残した七本目の妖刀「淵天(えんてん)」を手に、柴登吾と共に、毘灼の情報を求めて各地を奔走し、反社会的組織を次々に壊滅させていく。
千鉱と柴登吾が、毘灼の情報を得るために潜入した暴力団の抗争現場で、妖術師の力を使った凄惨な光景を目の当たりにする。
妖刀「淵天」の実力
千鉱は、父の旧友である柴と共にヤクザのアジトへと乗り込む。
迷いの一切ない冷酷な斬撃で、次々と敵を斬り伏せるその姿は圧倒的だ。
腰には二本の刀を携え、一つは通常の刀、もう一つは妖刀「淵天(えんてん)」。
この妖刀には、かつて彼が飼っていた金魚たちの魂が宿る。
黒い金魚「涅(くろ)」が刀に宿る力を解放すると、振るわれた刀の軌道に沿って斬撃波が放たれ、瞬時に大勢のヤクザを屠る。
その後、金魚「錦(にしき)」の力を発動させ、千鉱の身体能力は極限まで高まり、敵は壊滅状態に追い込まれる。
ボスを追い詰めた千鉱は「毘灼(ひしゃく)」の正体を問い詰める。
それが妖術師の組織と深く関係していることは明らかだが、ボスは怯えながら「化け物に挑むとは正気ではない」と震える声で答えるのだった。
それに対し、千鉱はすでに正気ではなく、復讐心に取り憑かれた存在となっている。
人を殺すことに一切の迷いを見せない千鉱。
その冷酷さと圧倒的な戦闘力、そして妖刀を自在に操る姿は、まさにダークヒーローの象徴だ。
しかし、その戦いの過程で千鉱は、毘灼が「六工」を利用して世界を支配しようと企んでいることを知る。
千鉱は、父を殺し、妖刀を奪った毘灼への怒りを燃え上がらせ、奪われた「六工」を取り戻し、父の仇を討つことを改めて誓う。
新たなる旅立ち
この険しい旅路の中で、千鉱は次第に自分自身と向き合うことになります。
彼は父の残した刀を振るいながら、父親の夢と意志を継ぐことの重大さを肌で感じていきます。
また、妖刀「淵天」を通じて、戦いにおける力、魔力、そしてその先にある真の目的とは何かを模索し始めます。
こうして千鉱は、父の死から始まった復讐と成長の物語を紡いでいくのですが、その道筋の先には未だ多くの謎と危険が待ち受けているでしょう。
彼の決意と旅立ちが新たな物語の幕開けとなり、彼自身や周囲の人々の運命を大きく揺り動かしていくことになります。
チヒロの使用している「淵天(えんてん)」の詳しい解説です>>
第3話~第18話「vs.双城編」
妖刀「刳雲(くれぐも)」と運命の出会い
『カグラバチ』双城編(第3話から第18話)では、東京に帰還した千鉱は、情報屋ヒナオから得た情報をもとに、妖刀「刳雲」の目撃者である孤児のシャルと出会う。
シャルは、妖刀を巡る争いに巻き込まれ、命を狙われていると千鉱に訴えかける。
千鉱は、シャルの不安そうな瞳を見つめ、彼女を守ることを決意する。
襲い来る妖術師たちと、明かされる双城の影
シャルの安否を案じる千鉱たちの元に、次々と双城厳一率いる妖術師たちが襲い掛かる。
激しい戦闘の中で、千鉱は双城の目的が単なる妖刀の奪取ではないことに気づき始める。
双城は、シャルの持つ特別な力に強い関心を示しており、その目的は、より深淵なものであることが暗示される。
シャルと刳雲の秘密、そして千鉱の決意
シャルとの交流を深める中で、千鉱は、シャルが単なる孤児ではないことに気づく。
シャルは、かつて双城によって家族を奪われ、自身も深い傷を負っていた。
そして、彼女の体内に眠る特別な力が、双城の野望を叶える鍵となっていたのだ。
一方、千鉱自身も、父・国重が残した妖刀「淵天」の秘密をより深く探求し始める。
淵天は、単なる武具ではなく、ある種の意思を持つ存在であることを悟る。
双城の目的
残虐非道な性格の双城。
そのシャル誘拐の目的は、シャルの肉体を利用して雫天石の安定実験を行うことだった。
妖刀を作り上げた国重を心から敬愛しており、その愛情は彼にまつわる文献を読み尽くすほど。
双城が雫天石安定実験を行うのも、国重に並び立つための野望からだった。
千鉱と双城の壮絶な戦い
シャルを守り、双城の野望を阻止するため、千鉱は激しい戦いを繰り広げる。
双城は、妖刀「刳雲」の力を駆使し、圧倒的な強さで千鉱たちを追い詰める。
しかし、千鉱は、仲間たちの力と、淵天との共闘によって、一歩ずつ前進していく。
「淵天(えんてん)」vs「刳雲(くれぐも)」
千鉱は、双城の野望を阻止するため、最後の決戦に挑む。
両者とも今し方の戦闘で、その肉体に傷痍と疲弊を重ねている。
妖刀への理解を深めた両者は、現時点の奥義使用状態での限界活動時間を直感。
偶然、それは合致する…「12秒」
この12秒の戦いが描かれた第17話と第18話は、圧巻の戦闘シーンで、まさに息を呑むほどカッコよかったです!
それは、単なる力比べではなく、二人の信念がぶつかり合う壮絶な戦いでした。
新たな章へ
激しい戦いの末、千鉱は双城を打ち倒し、シャルを救出する。
しかし、その勝利は、新たな章の始まりを告げるものであった。
シャルは、自分の力をどう使うべきか、そして千鉱は、刀匠としての道をどう歩むべきか、それぞれが新たな決意を胸に、未来へと進んでいく。
双城の使用している「刳雲(くれぐも)」の詳しい解説です>>
第19話~第44話「楽座市編」
新たな戦いの舞台
『カグラバチ』楽座市編(第19話から第44話)では、千鉱の物語が新たな困難と成長の中で深まっていく。
この編では、彼が闇のオークションである「楽座市」に挑むことで、妖刀「真打」を巡る壮大な戦いが展開される。
欲望渦巻く楽座市
舞台は、年に一度、月の光すら届かぬ闇市「楽座市」が開かれる街。
そこは、この世のあらゆる悪徳と欲望が渦巻く、まさに魔窟と呼ぶにふさわしい場所。
人々は己の欲望を満たすため、金、力、権力、を求め、この街に集う。
楽座市では、父・国重が鍛えた妖刀六工の中でも特に強力とされる「真打」が競売に掛けられることが判明し、これを回収するための計画を練り始める。
漣家との出会い、そして裏切り
まず、千鉱は楽座市を取り仕切る漣家に接触を図る。
漣家(さざなみけ)は深い影響力を持つ一家で、そのオークションもまた欲望と暴力が支配する危険な場だ。
ここで千鉱は、漣家をかつて追放された漣伯理(さざなみ はくり)と協力関係を築くことになる。
伯理は、自らが追われた漣家に対する怒りと自身の正義を持つ人物で、千鉱と共に漣家の秘密に迫ろうとする。
危機と決意
しかし千鉱らの道は平坦ではありません。
斉廷戦争後に設立された、妖術師を統括する公的組織である「神奈備(かむなび)」に属する香刈緋雪(かがり ひゆき)による襲撃や、漣家の勢力による絶えない攻撃の中で、千鉱は目的に向かって進んでいく。
漣家当主の漣京羅に狙いを定めて奇襲をかけるものの、計画は失敗に終わり、「淵天」を奪われてしまう。
千鉱にとって最大の危機が訪れる。
それでも千鉱の意志は揺るぎません。失敗を機に彼は更なる覚悟を決め、楽座市本番の日に潜入作戦を決行する。
これにより、彼は己の心をより一層厳しく鍛え、仲間と共に最強の逆襲を仕掛けることになる。
楽座市での死闘
11月8日、楽座市の開催日。
千鉱は仲間たちと共に潜入し、「真打」と「淵天」を取り戻すべく行動を開始する。
ここでの千鉱は、復讐者としての冷徹さを持ちつつも、内面の葛藤を抱えて戦う。
彼は、父の妖刀の名誉を守ることを決意し、それを汚す者に対して容赦しない。
物語の核心は、千鉱が父の遺志を継ぎ、妖刀「真打」を取り戻そうとするところにあります。
楽座市を仕切る京羅との最終対決は、空間を自在に操る強大な力と千鉱の復讐心がぶつかり合う場面に展開し、一瞬たりとも目が離せません。
京羅は支配者として、その圧倒的な存在感と力で敵を圧倒し、多くの試練を千鉱に与えます。
京羅の能力は空間操作という特異なものであり、これにより彼は敵の攻撃を回避したり、自らの攻撃を実行する上で圧倒的優位を得る。
この高いハードルに千鉱がどう挑むか、彼の成長が試される。
妖刀「淵天」を手に、限界まで力を引き出し戦う千鉱の姿は、この物語の白眉です。
戦いを通して、ただの復讐者ではなく、父の技術や信念を背負った「刀匠の息子」としての側面が表れます。
漣京羅との最終対決
さらに物語が進む中、京羅が千鉱との戦闘で瀕死の状態となり、最後の力を振り絞って「真打」の隠し場所に向う。
彼は楽座市会場で、血を吐きながら「真打」の実演を開始する。
これにより、漣京羅は妖刀の持つ圧倒的な力を観衆に示すことを目論んでいました。
柴の予想では、「真打」を神奈備に落札させ、その内部で派閥が生まれることを期待していた。
妖刀が神奈備内で摩擦を生み、所有者を殺すことで妖刀の力を解放するというのが、毘灼の策略だった。
しかし、頭領が3年で箱を開けたことにより、計画は変更される。
京羅は「真打」の力を手にし、自らの野望を追求することとなった。
戦争経験者の一人が、楽座市会場での戦闘を見ながら「真打」の本当の力はこんなものではないと語る。
漣京羅は、部分的に示しただけであって、完全に力を解放すれば、千鉱たちも太刀打ちできないと警告した。
妖刀「真打」の力と秘密
戦いのクライマックスが近づくと、京羅は「真打」による力で目にも止まらぬ攻撃を繰り出す。
京羅の攻撃により千鉱と緋雪は、ある取引きを条件に共闘することとなるが、京羅に追い詰められてしまう。
京羅自身も真打の力に精神を支配され始め、不安定なまま戦い続ける。
京羅は「真打」の妖術を使い、蔵内で熾烈な戦闘が繰り広げられる。
しかし、蔵の崩壊が進み、京羅の死が蔵の消滅に繋がるという危機感が高まります。
千鉱は蔵内の人々を救うため、全力を尽くして転送を試みる。
最終的に、千鉱と緋雪は全員を救出し、蔵内から脱出する。
死に際の京羅は、かつての妻を思い出し、また楽座市の完遂に執着しつつも、自らの敗北を悟る。
そして新たな章へ
物語の結末で、真打を持った緋雪は神奈備に戻る決意をし、その取引の一環で千鉱を仲間に加えることとなる。
楽座市の幕が下り、神奈備編の始まりを予感させる結末となります。
千鉱がこの後どのような冒険に身を投じるのか、さらなる期待を抱かせる幕引きとなりました。
漣京羅の使用している「真打・勾罪(しんうち・まがつみ)」の詳しい解説です>>
第45話~第59話「所有者暗殺編」
神奈備との共闘、そして新たな戦いの始まり
『カグラバチ』の「所有者暗殺編」(第45話~第59話)は、神奈備と毘灼の対立が激化する中、千鉱の覚悟と成長を描く章である。
千鉱は、妖刀「真打」を再封印するために神奈備に預けることを決断し、妖刀「真打(しんうち)」が悪用されないよう自らも神奈備の戦力になることを誓う。
千鉱が尋問を受けている最中、神奈備の専有地である慚箱の一つ、国獄温泉が毘灼の襲撃を受けたとの報告を受ける。
匿われていた妖刀「酌揺(くめゆり)」の契約者、漆羽洋児(うるは ようじ)は国獄温泉から脱出を試み、千鉱と伯理は彼を護衛し、神奈備からの信頼を得ようとする。
妖術師との激戦と座村との出会い
合流した千鉱と伯理、漆羽は、座村清市のいる仙沓寺に向かう際、毘灼の一人である昼彦に遭遇する。
昼彦は妖術師であり、その妖術「血鶴」を駆使して千鉱たちを攻撃する。
彼の策略を前に、千鉱は神奈備と毘灼の戦力差を再評価し、戦力が均衡していることを認識する。
特に伯理の転移の能力が復活すれば、神奈備と毘灼の力関係が変わる可能性があると見込みを立てる。
一方、仙沓寺では盲目の剣士で妖刀「飛宗(とびむね)」の契約者である座村清市(さむら せいいち)が待ち受ける。
彼は、かつて千鉱に刀の振り方を教えた経緯があり、その膨大な戦闘力で仙沓寺を守る。
座村の力を背景に、毘灼の襲撃者たちとの戦闘が繰り広げられる。
座村は音で敵を捉える異能の剣士であり、その圧倒的な技量で敵を一掃する。
敵の策略を見抜きながら、千鉱は座村の援護を受けつつ、昼彦との戦闘を続ける。
昼彦は巧妙に動き、千鉱を芝居小屋に誘い込み、多くの民衆を巻き込んで彼を挑発する。
この困難な状況下で、千鉱は昼彦に対して強力な反撃を繰り出し、ついには昼彦を制圧する。
昼彦は、千鉱との交流を通じて不思議な「友情」を感じ取り、毘灼の情報を明かし始める。
しかし、この戦いの最中に仙沓寺は崩壊し始め、妖術師たちの襲撃によって座村たちは深刻な危機に追い詰められる。
松の妖術を駆使する敵が現れ、座村とその仲間たちは命をかけて対抗する。
ハクリと漆羽は退路を確保するため必死に立ち向かい、それぞれが自身の信念を胸に、死闘を繰り広げる。
座村の過去と裏切り
一方、座村の過去が明かされ、彼が毘灼と協定を結んでいた事実が判明する。
座村は妖刀契約者を殺すことが真の目的であり、その背景には戦争終結後の秘密や、妖刀にまつわる未知の事件があったことが示唆される。
座村は毘灼と共に契約者を狩り、その後に毘灼さえも壊滅する計画を持っていた。
千鉱は、尊敬する座村の裏切りに衝撃を受ける。
しかし、その裏には、座村自身にも苦悩と悲しみがあった。
激闘の末、座村は千鉱と対峙し、千鉱を一瞬で斬り伏せる。
駆けつけた柴登吾もまた、為す術がなかった。
漆羽もまた、座村との戦いで命を落とす。
仙沓寺は崩壊し、千鉱は大切な仲間を失ってしまう。
所有者暗殺編、完結。そして…。
仙沓寺での戦いの後、座村は毘灼と行動を共にするようになる。彼は、毘灼の持つ情報と引き換えに、妖刀契約者たちを殺害することを決意したのだ。
一方、千鉱は、座村の裏切りと漆羽の死に深い悲しみを覚えながらも、戦い続けることを決意する。所有者暗殺編は、千鉱にとって大きな転換期となり、彼の心に深い傷跡を残すこととなった。
そして物語は、更なる波乱と衝撃の展開へと進んでいく。
座村清市の使用している「飛宗(とびむね)」の詳しい解説です>>
昼彦の使用している「酌揺(くめゆり)」の詳しい解説です>>
「カグラバチ」京都編|ネタバレあらすじ
カグラバチ 京都編 pic.twitter.com/syeWFQlpFi
— 優 (@Yusai4649) January 21, 2025
ここからは1話ごとに紹介していきます。
第60話 京都編「黄泉がえり」
生きてる… pic.twitter.com/peKxF47Amo
— ユウ (@airin0089) January 27, 2025
妖刀の宿命 : 命運と復讐の新章
第六十話では、千鉱とその周囲を取り巻く運命の転換点が描かれました。
座村の妖刀に斬られ死亡が確認された千鉱だったが、彼は奇跡的に息を吹き返す。
この蘇生が偶然ではなく座村の意図的なものだと柴登吾は推測する。
千鉱と妖刀「淵天」の命滅契約を断ち切り、復讐の道を放棄させるための策略ではないかというのである。
一方、千鉱の蘇生に希望を抱いた柴は、同様の奇跡が漆羽にも訪れることを期待するが、彼の遺体は既に解剖に回されており、その望みは絶たれる。
漆羽の死に怒りと悲しみを抱える千鉱は、自らの復讐を決意し、父から受け継いだ教えを胸に進む覚悟を固める。
座村討伐部隊の結成
千鉱が回復した後、神奈備御庭番・元座村親衛隊「巻墨」巻墨と共に座村討伐部隊を結成することが決定する。
巻墨は忍衆であり、以前は座村の護衛を務めていた隊だ。
彼らもまた、座村に対する複雑な感情を抱えつつ、状況を打開するために千鉱と手を組むことを選ぶ。
巻墨のリーダーは千鉱にこう語る「気合いを入れようぜ」と。
これに千鉱も応え、彼の決意がさらに強固なものとなる。
神奈備の動向と内通者の存在
一方、物語の舞台は「神奈備」へと移る。
妖刀を守る契約者たちを安全な場所へ隔離するための作戦が実行されるが、組織内に内通者がいる可能性が浮上する。
これにより、神奈備の上層部は座村への対応を急ぎ、討伐部隊の編成が検討される。
しかし、座村の能力とその背後に潜む毘灼との関係性が依然として謎に包まれており、状況は緊迫の度を増していく。
さらに、神奈備の戦力は現在のところ不足している。妖刀「飛宗」と「酌揺」が座村の手中にあり、これらの妖刀がもたらす脅威が増大している中、神奈備側の突破口は未だ見えない状態だ。
千鉱の葛藤と柴の苦悩
千鉱は、座村討伐へ向かう決意を固めつつも、漆羽の死や座村の真意に対して多くの疑問を抱く。
彼は柴に「父たちが隠した罪」とは何かを問い詰めるが、明確な答えは得られない。
千鉱の言葉に対し、柴もまた自分の無力さを痛感しつつ、彼を止める術を失っていた。
柴は心の中でこう呟く「俺がもっと早く大人としての責任を果たせていたら…」と…この後悔が彼をより深い苦悩へと導く。
最後に向けた準備
千鉱は柴とのやり取りの中で、「俺はもう地獄に堕ちても構わない」と断言する。
この言葉に彼の決意の強さと覚悟が如実に現れている。
そして、巻墨から「2日後にはとっておきの任務がある」と告げられ、物語は次なる局面へと進む。
忍の正装を身に纏い、戦いに向けた意志を固める巻墨と千鉱。
座村討伐部隊としての行動が始まるまで、千鉱はこれまで以上に深い決意を胸に秘めていた。柴との約束「二度と死なない」という言葉を胸に、千鉱は新たな戦いに挑む。
感想
第六十話では、千鉱が自らの死と復活を経験し、座村への復讐と妖刀の宿命を背負う覚悟を決めるまでが描かれています。
座村討伐部隊の結成や神奈備の内通者の存在など、新たな展開が次々と明かされ、物語はさらなる緊張感と深みを増していきます。
千鉱と巻墨との共闘がどのような結末を迎えるのか、そして千鉱が座村の真意にどのように立ち向かうのか、次回以降の展開が待ち遠しい。
第61話 京都編「夜戦」
カグラバチ61話 pic.twitter.com/3Om6qxSvyo
— ユウ (@airin0089) January 27, 2025
膠着状態が続く神奈備・毘灼・座村の三つ巴の戦いの中で、物語は新たな展開を迎える。
座村清市の弱点として浮かび上がったのは、意外なことに彼の「娘」の存在である。
千鉱たちはこの情報を鍵に、戦局を動かそうと画策する。
座村の娘の存在とその背景
座村にはかつて一人娘がいたが、彼女は死んだとされており、その死因は急性心不全と記録されている。
しかし、これは偽装であった。
巻墨たちは、座村の護衛として初めて受けた任務が、この「娘の死の偽装」だったことを明かす。
この偽装により、娘は神奈備からの保護・監視の対象から外れ、一般社会で自由に暮らせるようになったのだ。
座村は、娘が自分のために危険な目に遭うことを避けるため、親子関係を犠牲にしてでも彼女の安全を優先した。
娘には特殊な妖術が施されており、周囲の人々が彼女を「座村清市の娘」として認識できなくなるばかりか、本人ですら自分が座村の娘であることを忘れる仕組みが施されていた。
この徹底した偽装により、娘の存在は完全に隠されていたが、毘灼が座村を打倒するための「保険」として娘を狙ってくる可能性が示唆される。
座村自身も、娘が死んだと信じ込むほどの完璧な偽装であったが、毘灼の妖術師たちの高い能力を考えると、封印が破られる危険性を否定できない。
京都への動き
座村の娘が現在京都で普通の学生として生活していることが判明し、千鉱たちは娘に接触すべく京都へ向かう決断を下す。
この接触は、娘を保護するだけでなく、座村と毘灼双方への牽制となる狙いがある。
一方で、京都には既に毘灼の妖術師が潜入しており、彼らもまた娘を標的としている。
新たな敵、毘灼の妖術師たち
京都で登場する毘灼の妖術師は二名。背中に妖刀を背負った高身長の妖術師の久々李(くぐり)と、女性の妖術師。
彼らは毘灼の命を受け、座村の娘を見つけ出そうとしているが、現時点では彼女の正確な居場所を掴んでいない。
毘灼の幹部・幽は「向こうから尻尾を出すだろう」と発言しており、娘をおびき出すための待機策を採っている様子がうかがえる。
巻墨と千鉱の関係
巻墨は、千鉱に対して過保護な態度を見せ、千鉱を困惑させる場面も描かれる。
巻墨は娘に施された封印が健在であるかを定期的に監視しており、現時点では問題ないと報告している。
しかし、状況が変化すれば即座に対応が必要となる。
戦局の展望
膠着状態が続く中、座村の存在が毘灼の一般市民を巻き込んだ戦争を抑制する大きな力となっている。
座村を失えば、毘灼が一気に動き出し、最悪の事態が引き起こされる可能性がある。
このため、千鉱たちは座村の娘の安全を確保することで、毘灼への圧力を維持しつつ戦局を有利に進めることを目指している。
感想
第61話では、座村清市の人間的な一面と彼の過去が掘り下げられる一方で、新たな敵として毘灼の妖術師たちが登場し、物語は次なる局面へと進む。
京都を舞台に、千鉱たちと毘灼の激突がどのように展開するのか、緊張感が高まる展開となっている。
第62話 京都編「イヲリ」
イヲリちゃん可愛い! pic.twitter.com/P9kvHKUyKJ
— ラナ (@LANALANA0027) January 27, 2025
イヲリの秘密:普通の女子高生の裏に潜む真実
座村の娘イヲリの日常生活が描かれる第62話。
母子家庭で普通の女子高生として暮らすイヲリ。
父親(座村清市)は、イヲリが生まれる前に蒸発したと聞かされていた。
しかし、実際には記憶を封印された座村清市の娘であり、その素性は厳重に隠されていた。
梟の渦雲:不気味な現象が世界を揺るがす
3日前から、日本全土の空が梟(フクロウ)のような渦雲によって覆われ、その不気味な現象により学校も一時休校になるなど、世間は混乱していた。
神奈備(カムナビ)が「害はない」と発表したことで日常は取り戻されつつあったものの、イヲリは梟が現れて以来、3日連続で不思議な夢を見るようになる。
夢の内容は封印の影響で思い出せないが、幼い頃に父、座村清市に手を引かれる場面が断片的によみがえる。
久々李の襲撃:平穏が崩れる瞬間
そんな中、毘灼(ヒシャク)の久々李(クグリ)が学校に現れ、座村の娘を探して暴力的な捜索を開始する。
校門で教師を殺害した久々李は、そのまま一気にジャンプし窓を割って教室に乱入した久々李は、座村の血を手がかりに女子生徒たちを調べようとする。
クラスメイトの井倉が抵抗を試みると、久々李は容赦なく攻撃を仕掛ける。
その瞬間、イヲリは咄嗟に井倉を守るため身を投げ出す。
救援の到着:新たな局面への突入
この行動に久々李は興味を示すが、イヲリの血を調べようとした瞬間、神奈備御庭番・座村親衛隊「巻墨」の隊長とチヒロが到着し、チヒロは久々李にすかさず斬りかかる。
チヒロが久々李と交戦する間に、巻墨の隊長がイヲリを保護する。
そこで判明したのは、イヲリ自身が無意識のうちに封印をこじ開けようとしており、その綻びが毘灼の索敵に引っかかったという事実だった。
「巻墨」の隊長は「座村さん…子供を侮っちゃいけねえよ」と呟き、毘灼からイヲリを守ることを決意したところで物語は幕を閉じる。
話63話 京都編「車追跡(カーチェイス)」
巻墨+チヒロ=最強 pic.twitter.com/xwF3PHI45a
— ラナ (@LANALANA0027) January 27, 2025
救出作戦開始
初めに巻墨隊長の郎(ロウ)は、イヲリを教室から避難させようとするが、イヲリは仲間を救おうと教室に戻ろうとする。
隊長は、毘灼がまだイヲリを標的と確信していない状況を利用し、あえてイヲリを標的だと示すことで、級友たちを危険から守る策を講じるよう諭した。
ロウは、仲間の炭(スミ)を呼ぶことで、その場を切り抜けようと試みる。
スミは、巻物から妖術でバイクを呼び出し、イヲリを後部に乗せて迅速に現場を離れる。
チヒロの葛藤
一方、教室では久々李とチヒロが対峙していたが、クラスメイトから「歌舞伎の殺人鬼」と呼ばれたことでチヒロの動きが鈍る。
その隙を突いて久々李は教室を離れ、イヲリの追跡を開始。
毘灼の一団は車でバイクを追いかける。
巻墨の杢(モク)はチヒロの様子を見て「作戦”気楽に”」を提案。
チヒロに先回りを指示し、自身と隊長の郎で後方から支援することを決める。
チヒロは歌舞伎劇場での事件で一般人を巻き込んだことを引きずっていたが、杢の言葉で少し気持ちが楽になる。
激しいカーチェイス
カーチェイスが繰り広げられる中、巻墨の隊長・郎が手裏剣と爆弾を駆使して毘灼の車を破壊するも、久々李は車から飛び出し、驚異的な速度でバイクを追跡し続ける。
追撃の途中、進路を遮るバスが現れるが、久々李は躊躇することなくバスを一刀両断。
これにより乗客の命が危険に晒されるという暴挙に出る。
久々李は心中で「教室の生徒は助かっても、バスの乗客が犠牲になれば本末転倒」と考える一方で、追跡を続行。
しかし、追跡劇の最中、先回りしていたチヒロがその場に姿を現し、物語は新たな緊張を迎える。
チームワークの大切さ
チヒロの回想シーンでは、郎がチヒロに「一人で全てを抱え込むな」と諭す場面が描かれる。
チーム全体で不安や焦りを分かち合うことの大切さを説く。
久々李に追いつかれそうになったとき、スミがバイクを急反転させ、バイクに仕込まれていた刀をチヒロに投げ渡す。
チヒロはその刀で久々李と対峙。
久々李は「動けるじゃないか」と笑みを浮かべる。
チヒロの成長
一方、郎と杢はバスから投げ出された乗客全員の救助に成功。
チヒロは仲間と協力することで、一般人を巻き込むことなく戦えることを実感する。
「少し身軽になった」というチヒロの言葉に、巻墨の皆のおかげでチヒロの精神面の成長の兆しが見えたところで物語の幕は閉じる。
チヒロくんの使う「淵天(えんてん)」の詳しい解説はこちらです>>
最新話64話「ビカム侍」
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チヒロvs久々李
チヒロは、スミがバイクに乗りながら渡してくれた妖刀「淵天」の鞘を手にする。
一方、久々李は活気あふれる剣士チヒロとの戦いを心から望んでいた。
チヒロの記憶には、六平家が毘灼の襲撃を受けたときの光景が鮮明に残っている。
その際、今回イヲリを捕らえに来た毘灼の刺客である久々李たち二人の姿は見当たらなかった。
ついにチヒロと久々李の斬り合いが始まる。
チヒロの心中描写
かつて、座村清市の圧倒的な剣術の前に敗北を喫したチヒロ。
座村に「復讐をやめて刀を置け」と言われたことが今も記憶に刻まれている。
復讐の資格を失った自分を受け入れる一方で、これまで数多くの場面で無茶をして体を張ってくれたハクリの助けに救われた事実も痛感していた。
自身の未熟さが招いた現状を認めざるを得ない。
妖術の基盤は身体強化にあり、玄力を巡らせることで超人的な力と耐久力を得る。
それをさらに応用し、刀にも玄力を巡らせることで剣技が強化される。
斉廷戦争時の妖刀契約者たちは、戦前から剣豪として名を馳せていた。
剣術歴3年のチヒロは、まだまだその域には達していない。
しかし、「淵天」との親和性は極めて高く、剣術を極めれば妖刀使いとしてさらなる高みに到達できると確信している。
そして、妖刀に頼りすぎていた自分を省みた結果、「妖刀を抜かずに実践する」という選択に至った。
一方、巻墨隊長であるロウは、否応なく明かされたチヒロの現在位置をカバーするため、彼を援護することを心に決める。
剣術の流儀
チヒロと久々李の刀が激しくぶつかり合う。久々李は玄力を伴う熟練の剣術のみで戦いを繰り広げていたが、チヒロは久々李に到底及ばないと感じ始める。
久々李はチヒロの未熟さに気づき、剣術を誰から学んだのかと問うが、チヒロは独学でここまで来たと答える。
そして、「今ここで剣術を磨くつもりだ」と宣言する。
これを聞いた久々李は、過去に幽から昼彦への剣術指導を頼まれた際、「俺は感覚派だからいい」と断った昼彦の言葉を思い出す。
実践での成長を重視するチヒロの姿勢や感覚派の昼彦に対し、剣術の流儀を蔑ろにするのは許せないと憤りを感じ、「剣術をなめるならやめろ」と、一喝する。
そして、良い斬り合いができるはずもないと感じ、チヒロを見限ってその場を去り、再びイヲリを追い始めた。
居合白禊流(びゃっけいりゅう)
剣術の基礎が荒削りなチヒロだが、3年の戦闘経験を通じて鋭いセンスと確かな身体能力を培っていたのは事実だ。
ただ一つ欠けていたのは「模範」だった。
久々李のように流動的に玄力を刀に巡らせることはできないが、単発の「型」であれば玄力を組み込むことができる。
チヒロは過去に身をもって座村清市の剣術を受け戦いに敗れた!
そう、自身のからだで既に学んでいたのだ!
座村の「居合白禊流」を!
「居合白禊流」は、鞘に玄力を限界まで溜め込み、抜刀と同時に放出することで、一瞬にして最大限の力を解放する抜刀術である。
その辿り着く先は「最速」である。
覚醒
チヒロが「居合白禊流」を用いると、一瞬で久々李に追いつき、刀の衝突音が響いた!
久々李は自らの喝を受け入れ、見よう見まねでもしっかりと流儀の「型」に忠実に挑もうとするチヒロを嬉し思った。
自己流の風変わりな剣術を望んだ昼彦と対照的に、チヒロは流儀の「型」に沿ってきたのだ。
この姿勢に久々李は再び心を動かされ、チヒロとの本格的な一戦を望みイヲリを追いかけるのをやめてチヒロのもとへ。
そして戦いの最中、バイクで逃げるイヲリとスミは久々李を巻くことに成功したところで物語の幕は閉じた。
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最新話65話「見真似」ネタバレ含むあらすじ
居合百禊流 pic.twitter.com/hH7NgWi3eh
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久々李の斬欲からのチヒロへの襲撃
斬欲に負け、我慢の限界を迎えた久々李はチヒロに斬りかかる!
チヒロは自身の「居合白禊流(びゃっけいりゅう)」の未熟さを痛感しながらも、戦況を冷静に見極め、最善を尽くそうとしていた。
久々李はチヒロの構えを見ただけで「白禊流」だと気付き、師事しているのは漆羽か座村か問うも、チヒロは師事はしていないと応える。
「居合白禊流(びゃっけいりゅう)」は孤高の居合術である。
「居合白禊流」は、極めて高度な技術を要し、単純な理屈ながらも習得には特殊な所作が不可欠とされているからだ。
ゆえに、剣客・白廻逸夫(しらかいいつお)が考案して以降、その免許を得たのは座村清市(さむらせいいち)と漆羽洋児(うるはようじ)の二人しか存在しない。
久々李は、千鉱が師事していないと主張することに疑念を抱き、その技術を独学で習得することはあり得ないと断言する。
六平家の観察眼
過去の回想の中で、座村清市は千鉱が彼の剣技を一度見ただけで模倣できたことに驚き、柴登吾もその観察眼の鋭さを六平譲りだと評していた。
千鉱の家系に受け継がれた特異な観察眼は、刀匠として鋼の組成や温度変化を見極め刀の姿へと導いていく能力である。
チヒロの父・六平国重が、妖刀の原料である雫天石の安定化を可能にしたのも、まさにこの観察眼によるものだった。
この継承された特異の観察眼力は、チヒロの戦闘においても活路を得ていた。
回想から現在に戻ると、久々李は千鉱の剣技が『見様見真似』であるとは到底信じられず激昂していた。
一方で、巻墨の郎(ろう)は瞬間移動の為の魔法陣を完成させておりチヒロと共にこの場から離れた。
これからってトコだろーと残された久々李寂し気な声が響く。
刺客の斗斗と久々李は座村の娘の行方を見失ったことに苛立ちを募らせるも、索敵の結果も途絶え、朧げな位置すら捉えられない状況に陥っていた。
京都殺戮ホテルでの一時の安息
舞台は京都殺戮ホテルへ移る。
京都殺戮ホテル総支配人・戦国与次郎は、当ホテルが最高級の休息を提供する場であり、危険の介入は一切許されず、ホテル内の結界がプライバシーを厳守する旨を告げる。
巻墨の炭(すみ)はこのホテルに滞在すれば索敵から逃れられるが、それも時間の問題であると冷静に分析していた。
束の間の休息の中、郎は座村さんの娘イヲリに自己紹介をし、彼女を安心させようとする。
しかし、イヲリはチヒロをテレビで見たことがあり、チヒロのことを殺人鬼だと思っていたが、誤解かもしれないと疑問を抱く。
チヒロは彼女に対し、自分は人殺しであり、彼女とは同じではないと告げ、その上で彼女の安全を守り抜く決意を新たにしていた。
封印の施策と郎の提案
郎の最優先事項は、彼女の安全確保だ。
今、彼女の記憶の奥底から父・座村清市の存在が浮かび上がりつつある。
その潜在意識に刻まれた執着は、封印をこじ開け、敵の追手を引き寄せるほどに強い。
これ以上の刺激は禁物!
だからこそ、彼女の前で座村の名を口にすることは厳禁だった。
準備には時間がかかるが、より強固な封印を施すことで、今度こそ彼女の記憶から座村の存在を完全に消し去ることをチヒロに提案する。
かつて、座村は語った…イヲリは戦争とは無縁のままでいるべきだ、と。
人殺しの父親の存在を忘れることが、彼女にとっての幸せなのだ、と。
郎は、座村清市のその言葉が今も心の中に深く刻まれている。
郎は、すべてが終われば彼女は24時間後には元の日常へ戻るのだと告げた。
イヲリの葛藤とチヒロの信念
父・座村清市 pic.twitter.com/X2BavDE3Xt
— ラナ (@LANALANA0027) January 27, 2025
イヲリは戸惑っている。
突然すぎる終わりの宣告に、納得できるはずもなかった。
理由もわからぬまま逃げ続けていた自分に、何も知らされないまま日常へ戻るよう命じられても、心に残る違和感は消えない…
そのとき、久々李が教室に現れた時に「サムラ」という名を口にしていたこを思い出す…
「サムラ…」どこかで聞いたことがあるような響きに、彼女の表情が強張る。
イヲリの曖昧な記憶の断片が浮かび上がる。
今まで「手を繋いでいた誰か」の存在が頭をよぎるたび、胸の奥に広がる不安と焦燥感に襲われ、忘れてはならない何かがあるのではないか――そう感じずにはいられなかった。
郎は冷静に説明を続けた。
記憶はイヲリ自身の安全のために封じられたもので、封印があるからこそ、今の生活が守られているのだ、と。
もし、それを知ってしまえば、敵の標的となり、二度と普通の暮らしには戻れない、と。
だが、イヲリの迷いは深まるばかりだった。
チヒロの決意とイヲリの選択
六平千鉱は静かに考える…もし自分が父と暮らしていなければ、普通に学校へ通え、命を懸ける日々など知らずに済んだのかもしれない。
それでも、チヒロは決して後悔していない…
あの父・六平国重との他愛のない日々を、心から大切だと思っていたから…
チヒロは、今、封印が解けたとしても、このホテルの結界内であれば敵の索敵に引っかかることはないと気付き、この状況を利用すべきではないのか――そう考えた。
郎はチヒロの意図を察し、わずかに眉をひそめる。
千鉱は覚悟を決め、彼女にすべてを話すことを提案した。
どのみち、封印が施されるまでの間、ここに留まらなければならないのだ。
ならば、真実を知ったうえでイヲリに選択の機会を与えるべきではないか。
郎の心は揺れていた。
もし彼女が記憶を取り戻すことを選べば、これまで隠し続けてきたすべてが水泡に帰すことになる。
敵は再び彼女を狙い、容赦なく襲いかかってくるだろう。
居合白禊流の体得への誓い
千鉱は確信していた。どんな選択をしたとしても、自分が彼女を守り抜くと。
かつての自分がそうであったように、彼女にも選ぶ権利があるはずだ――そう信じていた。
チヒロは、彼女の曖昧な記憶の中にいる「座村清市」について、知る限りのすべてを伝えるつもりだ。
そして、24時間後、封印の準備が整ったときに、自らの意思で忘れるかどうか決めればいい。
イヲリの選択がどんなものであれ、チヒロはその決意を受け止める覚悟をしていた。
郎は苦々しく千鉱を見つめながらも、チヒロの揺るがぬ決意を感じ取っていた。
イヲリの未来が、彼女自身の選択によって決まることを信じて――。
さらにチヒロは「居合白禊流」を必ず体得すれ決意する。
座村・漆羽以外、誰も習得できず絶滅寸前の伝説の「居合白禊流」を体得すれば「淵天(えんてん)」のさらなる本領を引き出し、イヲリの安全を守り抜くことができることを信じて――。
「カグラバチ」ネタバレあらすじ全話まとめ!感想
『「カグラバチ」ネタバレあらすじまとめ!』では、カグラバチの物語を簡単ではありますが、全話のネタバレあらすじを紹介させて頂きました。
千鉱と座村の娘イヲリどのように絡んでいくのか?
京都を舞台に、千鉱たちと毘灼の激突がどのように展開するのか?
これから増々緊張感が高まる展開となっていくのでしょう!
今後も「カグラバチ」の新たな展開に期待しつつ、これまでの物語のネタバレあらすじを振り返り、考察を楽しんでいきましょう。